韓国映画「青燕」は、韓国籍の女性パイロット朴敬元をモデルに制作され、飛行シーンの撮影と編集は米国で行われ
ました。制作はKOREA PICTURES 監督ユン ジョンチャン 主演チャン
ジニョンです。韓国での封切りは2005年12月でした。韓国映画では最大級の制作費が投入されたそうです。
日本での公式紹介サイトhttp://www.hf.rim.or.jp/~t-sanjin/yunjonchan_seien.html
MASAOさんが写した津田沼飛行學校の機体については、はっきりとは確認できませんでしたが、J-記号を書いたケイデットが何機も登場します。
来日後のパクさんは、蒲田の日本飛行学校自動車部へ入学し、のち同校立川分校操縦科へ移り、ここで2等操縦士免状をとるまで学んだとされています。映画では立川飛行學校というのが出てきます。
それで、なぜ津田沼なのかもうひとつ分からないのですが、フラッシュを見る限りでは当時の日本人や風物はよく研究されていて、あまり違和感がありません。また、米国での飛行や操縦風景撮影も迫真的で面白いです。
パクさんが日鮮満親善飛行のために飛び立ったサルムソン2A2 J-BFYB青燕号は、小泉総理の祖父小泉又次郎逓信大臣が彼女に払い下げたものだそうです。親善飛行は無念の墜落で成就しませんでしたが、靖国参拝をめぐる小泉総理と韓国のごたごたの最中に、この映画が作られたというのも因縁めきます。
映画は、すでに昨年末に韓国で封切られましたが、残念ながら不人気で2週間あまりで上映は打ち切られました。
その理由は
@ 朴敬元は“日帝”の手先であり、“反日”を貫いていない。
A 制作に日本の出資があり、そのために反日色が薄まったと噂された。
B 日本語のシーンが多く、字幕が嫌われた。
などだということです。
・ 岐阜県のWさんから「青燕」のDVDが今月発売されたとの連絡を受けました。
主演女優(チャン ジニョン)は、昨年、結婚した2ヵ月後に胃がんで生涯を閉じたそうです。35歳の若さでした。この映画では、立派な演技でした。また、監督は、全体に立川の飛行学校や飛行シーンや当時の日本の生活様式などを細かに考証して撮影しており、航空映画としては上等の部類に入ると思うのです。
ところが、韓国でも日本でもあまりうけませんでした。韓国民がそっぽを向いた理由はお察しのとおりですが、日本人には、政治的なフィクションを入れ過ぎてしまったために、目をそむけるようなシーンがあり後味がわるいものになりました。DVDには、そのあたりもノーカットで入っているのですかね。