◎ 加世田市平和祈念館の愛知零式(三座)水上偵察機 E13A1
撮影001/12/11 にがうり・佐伯邦昭
鹿児島県加世田市平和祈念館は、日本三大砂丘といわれる吹上浜にあった陸軍万世特攻基地跡に建設されたもので、主体は2階の「散りゆく若き命」「われ南の空へ」をテーマとする特攻隊員の遺品の数々ですが、1階には愛知零式水偵や陸軍98式直協機搭載の日立ハ-13甲エンジン(星型9気筒)が付近の海中から引き揚げられた状態で展示されています。
極秘の八木アンテナ搭載機
零式水偵が索敵だけでなく、万能機のように活躍したことはよく知られています。説明板によると、この機体は「水偵302」の表示があり、極秘の八木アンテナ(電探)を搭載した唯一の機体だそうで、福岡を出て沖縄方面の偵察からの帰途燃料切れで加世田沖に不時着水したということです。
展示は、水深5mのところに埋まっていたと同じ状態に砂が置かれているため、フロートはなく、機体の下面も見ることができませんが、エンジン、主翼や胴体の外部構造などは十分観察できます。
参考文献:丸1994年5月号
「加世田で復元された<零式3座水偵>搭乗員3人は生きていた」「加世田沖から47年目に引き揚げられた零水偵の元搭乗員が綴る不時着時のあの時」
|