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航空歴史館技術ノート

掲載25/09/25
更新
25/10/05

 


空港での到着機の停止位置の表示について

文、資料 小林 実 


 

空港での到着機の停止位置の表示について

小林 実

  2006年の9月下旬、家内と団体旅行で韓国へ行って参りました。
 空港は国際便専用 の仁川空港。 耳に馴染んだ金浦空港は既に国内線用でした。
 帰りは空港で一時間程 の待ち時間を利用し、双眼鏡とデジカメを下げうろうろ。 搭乗機のアシアナ航空の A330 (便名とレジbヘ資料紛失) の前脚周りが黄色いので双眼鏡で覗くと、停止位置の 指示記号でした。 よく見るとILのイリューシンの表記もあり、思わずシャッターを 押しました。  あとで「撮影云々」の掲示を見つけましたが、マズかったのかな?

撮影2008/09 小林実 A330


撮影2008/09 小林実


 その後、定年退職により航空機利用は公私共に無くなりましたので、国内外の他の事例の検証 は出来なくなりました。
 ネットの画像検索で探すと、同様の表示が認められましたが多くは マチマチの様に感じました。

 法的な根拠を調べてみましたが、門外漢です。航空機運用に関する法律は「航空法」と「空港法」 に二分されるようです。 その下に「運用管理規則」等がぶら下がる筈ですが、紆余曲折の末に

 告示の「陸上空港の施設の設置基準と解説」国土交通省航空局に辿り着きました。 
 PDFで見られます。 以下がその位置づけです。 空港法と思っていましたが、航空法でした。
 


 そして停止位置に関する記述は81頁の「3.12.6 エプロン標識」に始まり、83頁に具体的に 図示されています。
 「図-3.12.13 ノーズイン・トーイング方式のエプロン標識の例」



 パドラーからの目線での「停止バー」



 駐機する機体名についての表記はありませんが、81頁の「3.12.6 エプロン標識」の 基準に準ずるという事でしょうか。または管理者の一存か。 と、ざっくり解釈致しました。 
 お詳しい方、業務に携われておられる方々のご指摘を 頂ければ幸いです。

 
編集部から

 最近のボーディングブリッジは自動で動かせる物が出てきていて 今年は成田空港で全自動が1機導入されたようです。
 
 三菱重工業 旅客搭乗橋(パッセンジャーボーディングブリッジ:PBB)
 
 Yahooニュース リンク


 追加記事 2025/10/05

 小林 実さんからの続編1です。

 インチョン空港をグーグルアースで覗いて見ました。 横棒の停止線が減った感じですね。

Google Earth  Incheon International Airtport






   六本ですね。 先にお送りした写真では10本ですが、まとまった物もあり太く見えます。 黄色も退色したようです。 何回塗り重ねた事でしょう。

 さて、仁川を見たついでに国内も見ましたら、空港規模によって異なりますね。
 
1,郷里の青森空港は拡張もあり、エプロンにはボーディング・ブリッジが五本と無しのラインが 一本だけの計六か所の停止位置になっておりました。 そして二か所だけ「停止バー」が二本 でした。

 

2,羽田空港 は多彩ですね。

 A 国際線ターミナル 
 北東向きの中央部 111番スポット
 沢山並んでいて空きスペースではこの様でした。  



 黒縁の塗装効果的ですね。 機種ごとのバーが複数本です。

B 第一ターミナル 
  中央部 西南向き 12番スポット
 此方も駐機が多数です。 黒縁のラインは少なく、順番なのか、タイミングが取れない のかは不明です。 総じて不明瞭に感じます。 
 ブリッジを使い分けているようですね。 B737等の機体は手前に横棒の表記に従って いる様に見えます。 停止位置は表示部の後ろにあるのでしょう。   



 C 第二ターミナル 
  南東向きの張り出しの付け根 66番スポット
 此方も一杯です。 ノーズトーイングが多いのでしょうか、停止位置状況が覆われて判りません。
 空いている右側縦のターミナルの事例では、この一本が黒縁つき。 そして停止ラインは白色です。 

成田空港 第一ターミナル

 A 東側の18番  ラインの途中まで黒縁ライン(写真下部)


  B 同 23番


 C 南側 26番  機種別ラインが黒色   


  D 南側 27番  


  E 東側 43番 多用されていないと、黒文字の書き込みは少ないのか?  


A第二ターミナル
 A 北側 71番  ★見〜つけた。 ルール違反ぞ


 B 北側右外れ 66番  ラインが二本ある。 運用による使い分け?  


 この辺りで止めましょう。 詳しくは知りませんが、第一と第二の運用に違いは、使用する 航空会社の運用による割り当ての様です。  羽田より雑然としている様相に思えます。

(結論ぽいもの)
 誘導ラインは基本的なものなので、大枠では同じですが、黒縁は有効と思います。
 基本となる端っこの停止ラインまでは基準通りですが、機種ごとのラインや機体名の表記は  空港ごとの所謂ローカルルールの様です。 Gアースでは機種名までは確認できませんで したが、成田の黒文字は目立ちますね。 天候によっては明示されているのでしょうか。
  文、Google Earth画像抽出  小林 実



編集掲載日 : 2025年09月27日
WEB編集  :  イガテック  

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