@ 脚下げグリーンライトが点かなかったら にばさん
小生が全日空技術部に在籍中、YS−11の主脚のダウンロックの表示器の視認性が問題になり改修することになりました。脚のダウンロックは通常計器板の下のほうにあるグリーンライトを点灯させることで確認されます。
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センターパネル右下方にある脚指示灯 コウノトリ但馬空港のYS-11 JA8734 全日空 HAWK
三つのグリーンライトは左から左主脚、前脚、右主脚の下げで点灯する。
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万一このライトが点灯しない時には、乗務員が眼で見て確認しなければなりません。
主脚については、飛行中最後部から3番目の窓越しに脚のドラッグ・ストラットについているダウンロック表示器(down locked visual indicator)で確認します。しかし、非常に見難い箇所です。
A-1 全日空の主脚ダウンロック表示器開発 にばさん
全日空商事が売り出しているYS−11ダイキャスト模型は正確にフラップ後縁に黒の↓が記入されています。他社機にはありません。この↓の先にダウンロック表示器があります。
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航空科学博物館の主脚ダウンロック表示器
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脚柱全体をグレーで塗装しているため、表示器の透明窓も塗りつぶされていた。一箇所だけシンナーで拭取って撮影してみた。
撮影2006/06/24 にばさん |
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3個のシグナルが分かるように修正されていた。
撮影2008/01/01 HAWK |
ダウンロック表示器のオリジナルは、黒と白の構成で、ロックが入れば黒の外筒の開口部(外筒に一定の間隔で数箇所あけてある)から白が各開口部から見える構造になっている
ます。
しかし、取り付け場所が主翼の下で暗く、視認し難いとの声があり、色を変えてみることにしました。種々検討した結果、黒との対比ではレモンイエローが見やすいということが分かりました。
そこで、蛍光赤 (ファイアーオレンジ)も候補に加え三色の表示器を実機に並べて取り付け
、乗員から意見を聞いた結果、最も見やすいのがやはりレモンイエローということになりました。この改修案を航空局へ説明し、全機改修を行うとともに、退色の確認の条件付きでしたので、羽田のK1ビルの屋上で1年間の南面暴露試験を行い退色がないことを確認したのです。
その後日本航空機製造鰍ゥらオリジナルの白から蛍光赤 (ファイアーオレンジ)
に変更するサービスブリテンが発行されたと記憶しています。
正常にグリーンライトが点灯していれば全く不用のシステムであり、この改修がどの程度役に立ったか定かではありません
が、バックアップシステムは役に立たないほうが健全に飛んでいる証であり望まれる姿でしょう。整備の仕事が話題にならないほうが皆さんがしっかり仕事をされていることだと思います。
A-2 他の旅客機の影響もありました にがうりさん
計器板の脚ダウンロックのグリンライトが点灯すれば問題ないというものの、ターボプロップ時代の電気ものはランプ切れとか電線劣化などによる不灯が結構ありました。
その時は、ダウンロックを目視確認して安全対策とする訳です。YSは、その安全対策のインデイケーターそのものが見え難
くかったのです。
他機種にも同じものはあります。バイカウントは、零戦みたいな翼上面に棒状突起が出たり、
高翼のフレンドシップでは客席窓すぐ横にドラッグ・ストラットがあって合マーク(ロックされるとドラッグ・ストラットの塗装ラインが一直線に合う)で簡単に確認できるのです。
にばさん達が色を変える改修を行ったのは、全日空が比較ができるバイカウントやフレンドシップを使用していたからこそで、乗員から苦情が出ましたが、他社ではそれほど問題にしていなかったと思います。
A-3 フラップの矢印の実際 撮影2001/05 大島空港へ最終進入中 JO1RBO
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最終進入中に一枚撮ったのを送ります。肝心の足のロックのサインは、この窓からは見えないですね。カメラは230万画素当時は結構イケましたが、今となっては、やはり荒いしノイズも多いですね。
A-4 フラップを出すと見えない その他警報音など ゆう
YS-11の主脚についているダウンロックインジケーターは、フラップを出すと窓から見えなくなります。JO1RBOさんの写真では、フラップが20度(アプローチ形態)出ているので、見ることはできません。
ちなみに、脚を出さずに、フラップを22.5度以上出すと、警報(ブザー)が鳴るようになっています。
その他の警報音は、ブザーカットボタンを押すことにより止めることができるようになっていますが、脚を出さずにフラップを22.5度以上にした場合の警報は、カットすることができません。
脚に関連した警報音はもうひとつ、脚を出さずにパワーを絞ると警報が鳴ります。 いずれも、脚を出さずに着陸してしまうことが無いような機構が講じられています。
YSの脚に関連して参考になればと思います。
A-5 ダウンロック表示器クローズアップ 2006/08/06 コウノトリ但馬空港 JA8734 HAWK
ANA系の機体
YS-11のダウンロック表示器を撮影しておきました。率直な感想は「こんなので機内から確認出来たのかなあ?」ですね。
近くに寄れば、黒と黄色に塗り分けた部分がダウンロックの表示と分かりますが、機内からとなると相当に疑問です。今回は機内が公開されていましたから後部のタラップの上からも取ってみましたがよく見えませんでした。光の関係も有るかとは思いますが、常に主翼の下にあって影になる部分ですから。 後部の座席にも座って窓越しにも見てみたんですが窓が経年変化によって曇ってしまっていたのでやはり判別できませんでした。
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ここのYSには、エンジン排気口に鳥除けのメッシュが張ってあります。これは良いことだと思います。
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A-6 ダウンロック表示器クローズアップ 2006/09/10 鹿児島空港 JA8717 小規模板工房
JACの機体
先日、ハンガーに入っているJACのYS-11現用機JA8717(と言っても、この撮影の翌日9/11を以って退役したとのことですが・・・)を撮影する機会があり、その際に航空歴史館総目次65の全日空の主脚ダウンロック表示器のことを思い出して、JACではどうなっているのかを撮影してみました。
撮影場所:鹿児島県姶良郡溝辺町 鹿児島空港 ノエビア社格納庫
JACは、全日空機の蛍光黄(レモンイエロー)ではなく、日航製のサービスブリテンのとおり蛍光赤(ファイアーオレンジ)になっているようです。
また、全日空機と異なり、フラップにダウンロック表示器を示す矢印はありません。
A-7
佐賀空港のJA8733のダウンロック表示器クローズアップ 再塗装整備j完了後 2010/03/23 にばさん
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新 A-8
元航空局のJA8709のダウンロック表示器クローズアップ 8709 N462ALとして修復後 2015/05/24
佐伯邦昭
後部座席窓から 開かれた非常扉から
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B 前脚のダウンロック視認
前脚については、コックピットの床に開閉できる小さなパネルがあり、開けるとアクリルの透明窓を介してダウンロック表示器の赤線が見え、この赤線が一致していればロックしているという構造
です。
B-1 前脚のダウンロック視認点検パネル
撮影2006/09/16 かかみがはら航空宇宙科学博物館 同館支援ボランティア 小山
肝心のダウンロック表示(右下写真)は、うまく写りませんでした。
ロッキードL-1011の事故 絵塗師
ランディングギアのグリーンライトが点かなくて大事故になった有名な事例がありますね。
1972年12月29日、午後11ごろ。マイアミ国際空港に着陸しようとしたイースタン航空401便(ロッキードL-1011)は、前脚のグリーンライトが点かないため、、クルーがコクピットの床下にもぐりこんで、ロックされてるかどうか目で確認しようとしましたが、暗くてよく見えないので手間取っているうちに、どういうわけか、いつの間にか自動操縦がオフになって高度が下がっていることに気づかず湿地帯に墜落し、乗員乗客176人中101人が死亡する大惨事になってしまいました。
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