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千歳市 飛行場を造った村民顕彰の碑 酒井憲次郎飛行士の像
  1 新千歳空港内にあった時
  2 柏台に新設された空港公園へ移設

 

1 新千歳空港内

A1002-2 北海道 HOKKAIDO 新千歳空港 千歳飛行場を造った村民顕彰の碑 酒井憲次郎飛行士の像
 
千歳飛行場を造った村民顕彰の碑 撮影2002/08/04  ELINT人


中央の石の碑文 「鍬振るう 村人の夢 ここに舞う」      向って左の石の設立経緯碑文

 1998年に飛行場70年の節目を迎えて建立された碑のなかに、「札幌空港」の名称を拒否し、「新千歳空港」と命名させた市民の開拓者魂を引き継ぐ心意気が感じられます。 (佐伯)


  

 

                                  

 

 

 

 


碑文
大正15年10月22日、札幌を飛び立った小樽新聞社(現、北海道新聞社)の北海一号機が、この地に着陸した。時に午後1時20分。
我を忘れて手を振っていた人々から、どっと歓声がわいた。
村民たちが、大空に夢を抱き、手に手に鍬やスキをもって造られた着陸場は、今日の空港の礎をなした。

 

 


 初めて飛来した複葉機がサルムソンなのか三菱一〇式艦偵民間型の三菱式R-2.2か長らく論争が続きましたが、飾られた模型をみると三菱式で決着が付けられたようです 。(佐伯)

酒井憲次郎飛行士の像 撮影2002/10/25  OKUBO

 千歳飛行場を造った村民顕彰の碑のかたわらに、千歳飛行場にはじめて降り立った当時小樽新聞社のパイロット酒井憲次郎氏の銅像が建立され、酒井氏の没後70年にあたり、同飛行場開港記念日の2002/10/22に除幕されました。

 

2 空港公園へ移設

撮影2008/08  MARVELIC Kyou

当時の滑走路1/5を模した両側に北海1号碑と酒井憲次郎碑を対面

         

日替わりメモ523番 2008/08/10から

新千歳空港ビル前の広場にあった「北海一号機」等のモニュメントが、新設の空港公園へ移設されました。これは国際線旅客ターミナルビル新設に伴うもので、JR千歳線を挟んだ東側にある柏台公園を新たに空港公園として整備し直し、そちらに像を移したということです。

 千歳市が3月に出した告示に次のように書いてあります。

千歳飛行場を造った千歳村民の偉業を称えるにふさわしい公園として開設するため、近隣 公園の名称を変更する。

 公園には、かって千歳村民が造成した長さ200メートル、幅110メートルの着陸場が5分の1に縮めて再現されているそうですが、現実の滑走路からは随分離されてしまった感が否めません。現地を見ていない者の感想ですからずれているかもしれませんが、新千歳では、かってビル内にあった歴史的名機の原寸模型をすべて撤去してしまい、かろうじて北海一号機を飛行場とは縁もゆかりもない水道局の建物に保管するという暴挙があり、どうもおかしいなあと‥。

 「航空と環境」という財団法人空港環境整備協会の機関誌最近号に市の企画部長が空港公園の整備を3ページにわたって得々と述べています。公園を整備して悪いというのではありませんが、「千歳飛行場を造った千歳村民の偉業を称える 」公園が鉄道線路を挟んだ反対側に引き離された理由はよくわかりません。JR南千歳駅東側の都市計画上の発展に資するというニュアンスが強く感じられます。もちろん、モニュメント建設団体などの意見を聞いて整備したそうですが、場所そのものについて反対意見はなかったのでしょうか。

 財団法人空港環境整備協会は、問題の国土交通省公益(利権)法人の典型的な団体のひとつで、こんな地方自治体の公園整備にまで金と口出しをしているとは初めて知りました。恐らく公園の基本構想や実施設計業務に特定業者を推薦(ゴリ押し)しているに違いありません。

 企画部長さんは、寄稿の最後に「財団法人空港環境整備協会のご支援ご協力に厚くお礼を申し上げ、更なる協会の発展と事業の充実をご期待申しあげる」と結んでいます。空港周辺の整備くらいは天下りに頼らないで、民間活力でやらせなさいよ。自治体がこれじゃ官僚社会の日本は変わりようがありませんね。

日替わりメモ525番 2008/08/13から

 523番に千歳市の空港公園について意見を書きましたら、お二人から園内の像などを詳細に撮影した写真の投稿がありました。合わせて40枚も頂きましたので、何をどう載せるか考え中であります。苔むした慰霊碑などであれば、4枚か5枚撮って記録にする程度で済ませると思うのですが、あらゆる角度から微細に写して航空史探検博物館へ送って頂いたということは、それだけの価値があると思われたのでしょう。

 それを見て佐伯の素直な感想は、ものすごくお金を掛けた公園だなあということです。

 そして、やはりというか、千歳村民が造成した滑走地を望むターミナルビル前にあったモニュメントを、飛行場から更に離した土地に移設したことの是非については、やはり釈然としません。都市計画の方を優先する官僚的発想が勝っているように思います。

 また、わざわざ入口にこの表示があるそうです。園内の碑文には 「鍬振るう 村人の夢 ここに舞う」とあります。自主独立の千歳魂で荒野を開墾し、北海1号を迎えた村民の喜びを子子孫孫まで伝えたいのなら、このような官僚天下り団体の宣伝など不要ではないでしょうか。極めて異質です。

 たとえ粗末でも、手作りでも、郷土の血が流れているようなモニュメント公園の方が、莫大な金をかけたスマートな公園よりもどれほど意義があることか。

 さて、静岡と茨城の新空港も「財団法人空港環境整備協会のご支援ご協力」による何かが計画されているのでしょうか。県が望まなくても協会(バックの航空局)の方からやれと言ってきているでしょう。地域の魂を官僚さん達の利権に利用されないように願っています。

 以上、極論を承知で持論を展開しました。意見をお聞かせください。