HOME・SITEMAP 日替わりメモ 伝説の時代から現代まで 航空史抜き書き

 

航空歴史館

 甲式三型のプロペラと乙式一型のプロペラ

交通科学博物館展示物の疑問から
 

サルムソン式プロペラの謎 (都道府県別・展示保存機総覧交通科学博物館から転記)

 交通科学博物館で、職員の方にお願いして[サルムソン式プロペラ 1930年]と表示してあるペラの刻印を調べて頂きました。

 

  甲式3型 120HP 大正12年9月 145 とあるそうです。

 帰宅して調べてみるとサルムソン2A2二型偵察機又は乙式1型練習機に「甲式」というのはなく、「甲式3型 120HP」 というのは、ニューポール24C1練習・戦闘機を指しています。

 各地に残るサルムソンのプロペラは、多少の違いはあるものの「サ式」「乙式」「240HP」と刻印してあるのが普通です。引き続き検討が必要です。

 

横川裕一さんからご教示がありました。

 形状からすると、プロペラは甲式三型用に見えます。甲式用の前縁は直線ですが、一方のサ式(乙式一型偵察機)用は膨らんでいます。直径も、甲式三型が2.5m、乙式一型が2.75mと云われています。

 所沢航空発祥記念館に展示してある乙式と甲式のプロペラです。形状と長さが明らかに違います。

          撮影横川裕一 (文字は佐伯が記入)
        

2013年4月 航空黎明期の写真展 甲式三型プロペラ 撮影にがうり

      その刻印 撮影横川裕一
      

      乙式の例  サ式 230HPと刻印 撮影佐伯邦昭
      



参考 甲式三型練習・戦闘機 ニューポール24C1 提供横川裕一


参考 乙式一型偵察機 サルムソン2A2 提供横川裕一

日替わりメモ2013/10/01

〇  交通科学博物館のサルムソン式プロペラについて  

 昨日、交通科学博物館から『長さを計測した結果2.495メートルでした』との電話がありました。横川さんの調査による甲式三型の長さ2.5メートルに符合します。また、訪問当日に聞いた「サ式」の刻印というのは、誤りだったということです。

 よって、ヒコーキ雲として、このプロペラは「サルムソン式」ではなく「甲式三型」であると断定します。

 交通科学博物館側も更に詳細に検討して確認し、表示を正すことにしているとのお話しでした。当方の指摘に適切に対応して頂き感謝します。